日本補綴歯科学会誌
Online ISSN : 1883-6860
Print ISSN : 1883-4426
ISSN-L : 1883-4426
専門医症例報告
顎堤が高度に吸収した下顎無歯顎患者にインプラントオーバーデンチャーを適用した症例
豆野 智昭
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 13 巻 3 号 p. 237-240

詳細
抄録

症例の概要:患者は74歳の女性で,主訴は下顎全部床義歯の動揺による咀嚼困難であった.下顎は無歯顎であり,顎堤は全体的に高度に吸収していた.上顎の残存歯に対する前処置を行った後,診断用義歯として上下顎全部床義歯を製作した.その後,最終義歯として,下顎に2本のインプラントを支台としたオーバーデンチャーを製作した.

考察:本症例では,はじめに診断用義歯を製作し,最終義歯に付与する要件を検討したことにより,良好な経過が得られたと考えられる.

結論:顎堤吸収が著しい下顎無歯顎患者に対して,インプラントオーバーデンチャーにより咬合を回復したことで,咀嚼機能ならびに口腔関連QOLの向上に寄与することができた.

著者関連情報
© 2021 公益社団法人日本補綴歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top