日本補綴歯科学会誌
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◆企画:第129回学術大会/シンポジウム6「欠損歯列における咬合再構成−適正な咬合高径をどのように求めるか−」
部分欠損歯列における適正な咬合高径とは
山下 秀一郎
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2021 年 13 巻 4 号 p. 311-317

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抄録

 部分欠損歯列における咬合の再構成を行う際には,咬合高径の回復が必要となることが多い.そのような場合,咬合高径単独で修正を行うのではなく,咬合平面をはじめとし,咬合に関わる他の要素の再構成も併せて行いながら治療を進めることが重要である.

 咬合高径を新たに設定する際には,使用中の補綴装置で決定される咬合高径を参考に,顔面計測や下顎安静位を用いることが一般的である.しかし,症例によっては下顎安静位を越えた咬合挙上が必要であり,低い咬合高径に適応した筋や顎関節の状態を十分に観察し,新たな安静空隙の出現を確認しなければならない.さらに,顎関節においては,下顎頭が顆頭安定位に位置する範囲での咬合挙上が要件である.

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