2021 年 13 巻 4 号 p. 305-310
デジタル技工の進展とともに,歯科技工物の製作方法は劇的な変化を遂げている.2005年,国内においてジルコニアの認可が下りると,その加工が可能なCAD/CAM技工が徐々に浸透してきた.その後,2014年にCAD/CAM冠が保険適用されるようになると,その勢いは加速した.そして現在,口腔内スキャナー(Intraoral Scanner.以下IOSと記載)が世界的に注目を浴び,国内でも自費治療分野で普及しつつあり,口腔内スキャナーデータから補綴物の製作を行う機会が増している.本稿では,歯科技工士の立場から,デジタル技工が従来の技工と異なる点について,いくつかの観点からお伝えしたい.