2022 年 14 巻 1 号 p. 31-37
臼歯部中間欠損症例における最後臼歯の存在は,対向関係の保持により顎位を安定させ,長期的な補綴装置の維持安定に寄与すると考えられる.欠損様式の観点からは,咬合支持歯として加圧因子の減少,遊離端欠損回避による受圧条件の向上が期待される.本稿では,最後臼歯の残存,すなわち中間欠損の有意性に関して考察したい.その中で,支台歯相互の連結固定効果(一次固定・二次固定)を考慮した支台装置の選択条件,遊離端欠損を中間欠損に改変したインプラントオーバーデンチャー症例の口腔内変化を振り返って,遊離端欠損の為害性についても考えていきたい.