2022 年 14 巻 2 号 p. 165-168
症例の概要:患者は67歳女性で,⻭の動揺による咀嚼困難と上顎前⻭部の審美不良を主訴に来院した.重度⻭周炎のため上顎臼⻭部の抜⻭を行い,⻭周治療を行った.上下顎前⻭部に連結冠を作製し,上顎欠損部に対してはアンレーレストを用いた部分床義⻭を作製した.
考察:前⻭部に連結冠による一次固定を図ることで支台⻭の動揺を抑えることができ,同時に⻭軸の改善により患者の審美的な満足も得られた.また,機能時に動揺の少ない部分床義⻭を作製することで,咀嚼機能が改善された.
結論:重度⻭周炎患者に対し,⻭周炎のコントロールと安定した咬合の付与により良好な経過を得た.