2022 年 14 巻 2 号 p. 169-172
症例の概要:患者は16歳の男性.先天性多数歯欠損による審美不良を主訴に来院した.動的矯正治療を行い,歯間空隙部の封鎖および欠損部のスペースコントロールを行った.確保できたスペースにノンメタルクラスプデンチャーおよび接着ブリッジの装着を行った.
考察:補綴治療終了後,定期的なメインテナンスへ移行し現在約5年が経過しているが,補綴装置および残存歯は良好に機能している.また審美性においても高い満足を得ることができた.
結論:先天性多数歯欠損を有する若年患者に対しノンメタルクラスプデンチャーと接着ブリッジの補綴処置により審美性を回復することが可能であることが示唆された.