2022 年 14 巻 2 号 p. 205-208
症例の概要:73歳男性.舌接触補助床の製作のために,手術担当医より依頼され来院した.舌癌に対して舌部分切除術,中咽頭癌に対して中咽頭切除術後に大腿筋皮弁再建が施行されていた.患者は無歯顎であったため咀嚼障害と嚥下障害の改善のために,摂食機能訓練と全部床義歯と一体型の舌接触補助床の製作を行った.
考察:最終義歯装着後から3年以上が経過している.補綴歯科治療と摂食嚥下訓練を行ったことにより,咀嚼・嚥下をはじめとする口腔機能が改善され,PAP部分の形態を徐々に調整し,通常の口蓋形態の義歯へ移行することができた.
結論:補綴歯科治療のみならず摂食機能訓練を行ったことにより,咀嚼・嚥下をはじめとする口腔機能が改善された.