日本補綴歯科学会誌
Online ISSN : 1883-6860
Print ISSN : 1883-4426
ISSN-L : 1883-4426
専門医症例報告
嘔吐反射による治療困難患者に対し欠損補綴処置を行った一症例
仲西 和代
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 14 巻 2 号 p. 201-204

詳細
抄録

症例の概要:患者は53歳男性.上顎義歯破折による咀嚼困難を主訴に来院した.嘔吐反射により歯科治療が困難であったため,必要に応じて鎮静法もしくは全身麻酔下でインプラント治療を含む固定性欠損補綴治療を行った.患者は審美的,機能的に改善された治療結果に満足した.

考察:患者は鎮静法もしくは全身麻酔下で苦痛のない歯科治療を経験し,著しい嘔吐反射により歯科治療をためらっていた患者の歯科治療への積極性を向上させたものと考えられる.

結論:著しい嘔吐反射を有する治療困難患者に対するインプラント支持の固定性補綴装置による補綴治療において,鎮静法もしくは全身麻酔の併用は有効であった.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人日本補綴歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top