2022 年 14 巻 2 号 p. 213-216
症例の概要:患者は70歳の女性.下顎総義歯動揺による食事の困難,上顎総義歯落下による会話困難を主訴として来院した.口腔内検査では上下顎に著しい顎堤吸収を認めた.ピエゾグラフィを用いて,上下顎総義歯による補綴処置を行い口腔機能の回復を図った.
考察:ピエゾグラフィを用いることで,口腔周囲筋や舌運動と調和した位置への人工歯排列と機能的な義歯床研磨面形態を付与した総義歯を作製することができ,口腔機能の回復が得られたと考えられる.
結論:高度顎堤吸収を伴う患者に対して,ピエゾグラフィを用いて総義歯を作製することで,患者の満足を得ることができた.