日本補綴歯科学会誌
Online ISSN : 1883-6860
Print ISSN : 1883-4426
ISSN-L : 1883-4426
◆企画:第130 回記念学術大会╱医療問題検討委員会連携企画 「前歯にも保険適用されたCAD/CAM 冠の安全な使い方」
前歯CAD/CAM冠の臨床的評価とCAD/CAM冠の臨床術式
吉田 圭一
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 14 巻 3 号 p. 237-243

詳細
抄録

 CAD/CAM冠は,2014年4月に小臼歯に最初に保険収載され,大臼歯,そして2020年9月に前歯にも保険適用となり,単冠の歯冠補綴装置の一選択肢になった.

 前歯17症例に装着したCAD/CAM冠の臨床的評価を行った結果,平均2年8か月でクラウンの脱落は認められなかった.

 CAD/CAM冠の長期生存率を高めるためには,安全な症例の選択,適切な支台歯形態と形成量,適合を高めるための設計,そして確実な接着操作の4つのポイントを押さえた臨床術式を確実に行う必要がある.冠内面を0.2 MPaの噴射圧でアルミナブラスティングし,リン酸で清掃後,シランカップリング剤とMDP含有のセラミックプライマーを塗布しレジンセメントで装着するのが望ましい.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人日本補綴歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top