2022 年 14 巻 3 号 p. 237-243
CAD/CAM冠は,2014年4月に小臼歯に最初に保険収載され,大臼歯,そして2020年9月に前歯にも保険適用となり,単冠の歯冠補綴装置の一選択肢になった.
前歯17症例に装着したCAD/CAM冠の臨床的評価を行った結果,平均2年8か月でクラウンの脱落は認められなかった.
CAD/CAM冠の長期生存率を高めるためには,安全な症例の選択,適切な支台歯形態と形成量,適合を高めるための設計,そして確実な接着操作の4つのポイントを押さえた臨床術式を確実に行う必要がある.冠内面を0.2 MPaの噴射圧でアルミナブラスティングし,リン酸で清掃後,シランカップリング剤とMDP含有のセラミックプライマーを塗布しレジンセメントで装着するのが望ましい.