2022 年 14 巻 3 号 p. 265-268
症例の概要:患者は54歳の女性.上下顎左右臼歯部欠損による咀嚼不良および上顎ブリッジ不備による審美不良を主訴に受診された.臼歯部補綴スペースの減少,および咬合平面の不調和を認めた.患者は可撤性義歯治療に抵抗があり,インプラント治療を希望した.上下顎左右臼歯部欠損部へのインプラント治療により咬合高径を是正したうえで補綴歯科治療を行った.
考察:装着後,5年経過した現在も破折,脱離などの問題は認めず,患者は満足していることから,良好な経過を得ていると考えられる.
結論:咬合高径低下を伴う臼歯部欠損に対してインプラント補綴治療を用いて咬合挙上し,最終補綴を行ったことで長期的に良好な結果が得られたと考えられる.