2023 年 15 巻 1 号 p. 117-120
症例の概要:87歳の男性で,咀嚼困難と歯の審美不良を主訴に来院した. 口腔内検査では,逆流性食道炎が原因と考えられる酸蝕症による咬合高径低下を認めた.オクルーザルアプライアンスと2回の暫間補綴装置装着を行い,暫間補綴装置の情報から,顎運動に調和した歯冠補綴装置を製作し咬合再構成を行った.
考察:暫間補綴装置の形態と咬合関係を最終補綴装置に反映したため,顎運動に調和した歯冠補綴装置を製作することができたと考える.
結論:咀嚼障害と審美障害を有する患者に対し咬合再構成を行った.最終補綴装置形態決定にオクルーザルアプライアンスと暫間補綴装置を用いることは有効であった.