日本補綴歯科学会誌
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◆企画:第131回学術大会/シンポジウム3「補綴治療は患者の何を改善できるか?:臨床アウトカムを多角的に評価する」
臨床アウトカムとしての咀嚼機能評価の重要性
高阪 貴之
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2023 年 15 巻 2 号 p. 151-157

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抄録

 歯科治療にはさまざまなゴールが存在するが,補綴歯科治療においては,「失われた口腔機能の回復」が主なゴールであると考えられる.口腔機能の中でも,咀嚼機能には,食物を細分化すること以外に,口腔内の感覚を総動員して「おいしさ」を楽しむなど,さまざまな目的がある.咀嚼機能の低下により食習慣が偏り,栄養バランスが悪化すると,最終的には全身的な健康が悪化することから,咀嚼機能は生命を維持するうえで必要不可欠な機能であるといえる.

 本稿では,筆者がこれまで得てきた咀嚼機能に関する知見を一部紹介するとともに,全身の健康の入り口として,咀嚼機能を維持することの意義を伝えたいと考えている.

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© 2023 公益社団法人日本補綴歯科学会
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