2023 年 15 巻 3 号 p. 325-328
症例の概要:65歳男性.「食事がしにくい」という主訴で来院した.上顎両側大臼歯欠損で下顎前歯と小臼歯部に著しい咬耗を認めた.補綴前処置後,診断用ワックスアップによって咬合挙上量や咬合様式,咬合平面を検討し暫間補綴装置を装着し,固定性補綴装置および金属床義歯による咬合再構成を行った.
考察:暫間補綴装置にて咬合挙上量の確認を慎重に行い,クロスマウントテクニックにて最終補綴装置に反映したことによって患者満足度の向上と咀嚼障害を改善できたと考えられる.
結論:著しい咬耗と欠損に対して,咬合挙上と咬合再構成を行い良好な予後が得られた.