2023 年 15 巻 3 号 p. 321-324
症例の概要:64歳の女性.上顎左側前歯の動揺による疼痛と咬合の不調和および審美不良を主訴に来院した.約1年前から 1| の動揺が気になり始め,来院時には痛みを覚えたという.歯周組織検査およびエックス線検査の結果,咬合性外傷による歯根破折および歯周炎の誘発と咬耗による咬合高径の低下,審美・咀嚼障害と診断した.したがって本症例は,咬耗による咬合高径の低下を咬合挙上により改善し,患者の主訴である審美・咀嚼要害の改善を行った.
考察:セファロ分析による咬合高径の設定と口腔関連QOL(OHIP-14)・咀嚼能力検査による評価は有効であると考えられる.
結論:咬合高径の設定にセファロ分析を利用し,良好な結果が得られた.