2024 年 16 巻 1 号 p. 211-214
症例の概要:患者は66歳女性.咬耗による前歯部の審美不良と咀嚼困難を主訴に来院した.著しい咬耗と咬合高径の低下に伴う補綴空隙の減少,義歯の適合不良が認められたため,咬合挙上を伴う全顎的な補綴治療を行い,患者の審美的,機能的な障害の改善を図った.
考察:咬合挙上量を慎重に検討し,オクルーザルアプライアンスおよび暫間補綴装置を用いて咬合挙上を行い最終補綴へ移行することで,審美的,機能的に高い患者満足度を得られ,口腔関連QoLの向上に大きく寄与したと考えられる.
結論:咬合挙上を伴う全顎的な補綴治療により,著しい咬耗による審美不良と咀嚼困難を訴える患者の審美性および咀嚼機能の改善を図ることが可能である.