2024 年 16 巻 2 号 p. 227-232
アンテリアハイパーファンクション(AH)とは,コンビネーションシンドロームのEichner C2症例のみならず,B4症例やC1症例における前歯部の過大な咬合力と定義される.一般的に対応を苦慮する症例は,その過大な咬合力による咬合接触が適切に管理されていないために義歯の動揺,咬合接触状態の変化および歯周組織の変化等を惹起し,更なる口腔組織の破壊につながっていくことに起因している.そして,その治療方針は臼歯部咬合の回復であり前歯部の咬合力のコントロールに尽きる.本稿では,臨床術式を中心に義歯補綴でのAH症例に対する処置法および処置後の対応方法について考察する.