日本補綴歯科学会誌
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◆企画:令和5年度第3回専門医研修会「顎機能障害の補綴治療(顎関節症治療の基本)」
顎関節障害に起因する咬合機能障害患者の補綴治療
荒井 良明
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2024 年 16 巻 2 号 p. 245-250

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抄録

 顎関節障害患者の治療は,病態説明とホームケア指導に始まり,保存的治療として理学・運動療法,薬物療法,オーラルアプライアンス療法などを主体とした可逆的な治療が行われ,咬合治療が可逆的治療に対する優位性は証明されていないことから,咬合を永久に変えるような処置はできるだけ避けるべきである.

 一方で,顎関節障害の改善後に前歯部開咬といった二次的咬合異常を呈し高度な咀嚼障害を訴え,補綴治療の介入が必要な症例も少なくない.

 本稿では,補綴専門医が顎関節障害とそれに起因する咬合機能障害患者を治療するうえで必要な基礎知識として,1)現在の顎関節障害の疾病概念と治療について,2)オーラルアプライアンスの症状別の応用方法, 3)顎関節の形態変化に伴う咬合機能障害患者の補綴治療の3点に焦点を当てて解説する.

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