2024 年 16 巻 2 号 p. 311-314
症例の概要:患者は67歳女性.かみ合わせの変化と審美不良を主訴に来院した.診査の結果,咬耗症による審美障害と診断し,補綴治療による審美回復を行った.
考察:咬耗症に対して治療用義歯による咬合挙上とプロビジョナルレストレーションによる歯冠形態の調整後に固定性ならびに可撤性補綴装置を用いて審美障害を改善した.固定性補綴装置としてポーセレンレイヤリングジルコニアやモノリシックジルコニア,可撤性補綴装置として金属床義歯を選択することにより良好な審美が得られた.
結論:咬合挙上とともにプロビジョナルレストレーションによる審美性の改善を行い,適切な最終補綴装置を装着することが患者の満足につながった.