2024 年 16 巻 2 号 p. 327-330
症例の概要:60歳の女性.咀嚼時の上顎右側臼歯部の動揺および疼痛を主訴として来院した.重度歯周疾患による歯の動揺および咬合平面の不正に起因する義歯の安定不良による咀嚼障害と診断した.歯周基本治療を行いながら治療用義歯を用いて支台歯および支台装置の選定を行い最終補綴装置となるコーヌステレスコープクラウンを装着した.
考察:治療用義歯を用いて義歯の構成要素ならびにそれを用いた設計,さらに機能性の評価を行い,その結果を最終義歯に移行できたことで良好な結果が得られたと考えられる.
結論:治療用義歯を用いて義歯設計の妥当性を検証したところ,最終補綴装置にて良好な結果が得られた.