2024 年 16 巻 2 号 p. 335-338
症例の概要:患者は61歳の女性.食事や会話がしづらいことを主訴に来院した.臼歯部に欠損を認めたが,違和感と審美的な問題から可撤性床義歯は使用しておらず,欠損放置による対合歯の挺出を認め,咬合平面の是正が必要であると判断し,固定性インプラント義歯を用いた治療を行った.最終補綴装置装着から3年経過した現在も機能的,審美的に満足している.
考察:プロビジョナルレストレーションによって機能を評価したうえで,補綴治療を行ったことで,患者の高い満足に繋がった.
結論:違和感と審美不良のため可撤性床義歯を使用できなかった患者に対し,口腔インプラント義歯を用いた機能回復は,一つの有効な治療法であることが確認できた.