口腔外科手術後,さまざまな欠損が生じるが,上顎と下顎とではその影響は大きく異なる.上顎は顎骨切除を行うと鼻腔,副鼻腔(上顎洞)と交通することがあり,その機能回復のために顎顔面補綴が必要となる.下顎の切除様式は下顎骨辺縁切除,区域切除,半側切除に分類され,それぞれ顎顔面補綴への影響は異なる.
口腔外科手術は顎骨に対する手術だけではなく,舌癌などに代表される軟組織切除および軟組織再建が行われ,軟組織切除,軟組織再建などは顎顔面補綴に大きく影響を与える.さらに軟組織と顎骨の合併切除を行い,軟組織および顎骨再建が行われるが,その後の顎顔面補綴に与える影響は大きい.
このように口腔外科手術が顎顔面補綴に及ぼす影響は大きく,さらに個々の症例でさまざまな欠損様式が生じるため,顎顔面補綴医と口腔外科医のカンファレンスが重要となる.腫瘍などの疾患を治療することが最優先事項であるが,術中,術後の顎顔面補綴に有利な口腔外科手術が求められるため,カンファレンスにおいてさまざまなディスカッションが行われる.
今回は,さまざまな症例を通して顎顔面補綴医と口腔外科医との協力の重要性について解説する.