日本補綴歯科学会誌
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◆企画:第133回学術大会/専門医研修会 「下顎位を再考する −補綴・歯周・矯正の観点から−」
重度歯周炎患者の口腔機能回復治療(歯周補綴)
高橋 慶壮
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2025 年 17 巻 2 号 p. 85-92

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抄録

 欧米には歯周補綴治療を専門とする講座があり,歯周病学と補綴学の知識を統合して患者の口腔健康の長期的な維持と機能回復を行っている.一方,日本では歯周病学と補綴歯科学は別の講座に分けられている.本誌では以前,日本の補綴歯科専門医の立場から歯周病患者に対する固定性補綴治療について「米国型」と「スカンジナビア型」に分類し論じている.健康寿命の延伸および生活の質の観点からは,歯周治療と補綴治療の共通の目標は残存歯の保護と患者が「何でも美味しく食べられる」を実現することである.Anteの法則は重度歯周炎患者の口腔機能回復治療には適用できない.クロスアーチブリッジ,インプラント治療およびテレスコープクラウンを利用した歯周補綴治療が適応されている.

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