日本補綴歯科学会誌
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◆企画:第133回学術大会/専門医研修会 「下顎位を再考する −補綴・歯周・矯正の観点から−」
アライナー矯正が目指す治療のゴールとは ―下顎位を再考する
藤山 光治早野 暁内田 健太畚野 里紗上岡 寛
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2025 年 17 巻 2 号 p. 93-99

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抄録

 矯正歯科治療における理想的な最終的顎位として,Centric Occlusion(CO: 中心咬合位)と,Centric Relation(CR: 中心位)を近似させるという考え方がある.一方で,COとCRを完全に一致させるように治療すると,良好な結果になるという明確なエビデンスは存在しない.アライナー型矯正装置は,従来のブラケットと異なり,歯を咬合させない状態で排列を進める装置であり,この特性により,早期接触の有無を容易に判断できる反面,誤った治療計画が原因で動的治療終了時にCOとCRのずれが大きく,安定した咬合を構築することができないといった症例も散見される.そこで,本稿では当院における治療計画の立案方法を例示しつつ,アライナー矯正治療が目指す治療のゴールを再考したい.

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