2025 年 17 巻 4 号 p. 195-200
垂直歯根破折は初期には診断が困難な症例が多いが,類似した病態を示すセメント質剝離性破折は垂直歯根破折に比較して良好な予後を得られることが多いことから,早期の鑑別はきわめて重要である.また,垂直歯根破折の治療法は改良が進み,治療成績も向上している.長期予後は術前の骨欠損状態や術後の咬合負荷など複数の要因が影響しており,これらの不利な要因を伴わない症例では,10年後の生存率が90%を超えていることから,垂直歯根破折は的確な診断と適切な症例選択および治療により,十分な予後が期待できる疾患と考えている.