2025 年 17 巻 4 号 p. 201-206
歯の移植・再植は欠損補綴に対する外科的アプローチ法の中でも,自己由来の材料を使用する倫理的障壁が低く,患者利益の高い,優れた治療方法である.その背景には移植医療の一般的な知識と先行永久歯,ドナー歯,周囲歯周組織から得られる情報の蓄積(検歯)が必須であり,高い予知性を持った治療方法である.そのポイントとして,ドナー歯および,移植床の接触面を病的面(Morbid Surface),健康な(感染のない)面(Intact Surface) に分類し,どの面と,どの面を接触させて設置するかが大きな鍵を握る.本稿ではその概要について解説し,症例を供覧する.