2025 年 17 巻 4 号 p. 266-269
症例の概要:患者は67歳の女性.義歯が外れやすいことを主訴に来院した.下顎は無歯顎で高度顎堤吸収を呈していた.義歯新製にあたり,ピエゾグラフィを用いてデンチャースペースを診断し,口腔周囲筋機能と調和した義歯を設計することで,下顎義歯の維持力向上を図った.
考察:ピエゾグラフィにより得た情報に基づきデンチャースペースに人工歯を排列し,義歯床を可能な限り大きく設定した結果,物理的維持と筋圧による生理的維持が得られ,義歯の安定と咀嚼機能の回復が認められた.
結論:高度な下顎顎堤吸収を呈する無歯顎患者に対し,ピエゾグラフィを用いることで,機能時に脱離しない義歯の製作が可能となり,良好な経過が得られた.