日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
咬合支持数の少ない多数歯欠損を全顎補綴治療し,すれ違い咬合への移行を防いだ一症例
岩脇 有軌
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2025 年 17 巻 4 号 p. 262-265

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抄録

症例の概要:患者は84歳の女性.かみにくく食事ができないことを主訴に来院した.残存する咬合支持は1か所のみで,使用義歯の形態および咬合は不良であり,義歯不適合による咀嚼障害と診断した.

考察:咬合支持喪失によるすれ違い咬合への移行が予想できたため,残存歯を連結した補綴装置により負担を分散し,義歯治療によって臼歯部の支持を確保して機能回復を図った.これより,治療後3年経過においても支台歯,補綴装置に問題は認めず,主観的および客観的な評価においても良好な経過が得られた.

結論:全顎補綴治療により,機能的な改善とともにすれ違い咬合への移行を防ぐことができ,患者のQOL向上に寄与できた.

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