2026 年 18 巻 2 号 p. 106-111
部分欠損症例に対する義歯臨床では,残存歯の存在により,残存歯と顎堤との被圧変位差ならびに残存歯による支台歯間線を軸とした義歯の回転変位が生じる.義歯の回転変位を抑制するため,これまでに多くの設計的工夫や臨床手技が考案されてきた.しかし,著しい義歯の回転変位を伴うすれ違い咬合やコンビネーションシンドロームでは,その制御はきわめて困難である.IRPDは,このような義歯難症例に対する有効な対処法の一つである.一方で,インプラントを応用した場合であっても回転変位を完全に消失させることは困難であり,また必ずしも理想的な部位に理想的な本数のインプラントを埋入できるとは限らない.したがって,埋入位置および支台装置の選択は慎重に行う必要がある.