2026 年 18 巻 2 号 p. 78-83
認知症と軽度認知障害の高齢者は,高齢者全体の3割近くになるとされている.認知症高齢者はみずから外来受診をすることは少ないが,軽度認知障害や認知機能が遅からず低下していく外来患者はある程度存在するものと思われる.
そのため,治療着手前に認知機能を把握するための評価が必要と考えられる.認知機能の低下が認められた場合は,侵襲的・長期的治療が困難であるかどうかを,患者本人だけでなく家族や代理人との合意が必要であるが,患者の不利益になる消極的な治療方針を選択するべきではないと思われる.また,認知機能が低下してからの歯科補綴治療は困難さが増すため,認知機能低下以前の歯科受診による口腔管理が必要である.