2026 年 18 巻 3 号 p. 206-211
口腔機能低下は,問診や会話,視診など日常診療のなかでの微細な変化からでも把握可能であり,「硬いものが食べられない」「食事に時間がかかる」といった訴えや,嚥下時の異常,口腔内の清掃不良,発音や声質の変化などが重要な手がかりとなる.これらを踏まえ,必要に応じてさまざまな口腔機能評価を行い,早期発見につなげることが求められる.対応としては,補綴装置による形態および機能回復を基盤としつつ,患者の全身状態や生活背景に配慮した設計と使用支援が重要である.さらに,多職種連携を通じて,口から食べる機能の維持・向上を図ることが,超高齢社会における補綴歯科医の重要な役割である.