2026 年 18 巻 3 号 p. 269-281
本論文は,Journal of Prosthodontic Research の同名の出版物の翻訳を邦文論文として出版するものである.引用の際には原出版物の「Okuno K et al. J Prosthodont Res, 2024; 68(2): 227-236」を記載すること.
高齢者の歯科睡眠医学について,睡眠生理,睡眠障害,閉塞性睡眠時無呼吸とその管理について解説する.睡眠障害は高齢者でより頻繁に起こる.加齢に伴う睡眠生理学の変化により,高齢者では不眠症の有病率が増加する.閉塞性睡眠時無呼吸は高齢者に多くみられ,その影響は若年者よりも大きい.高齢者には睡眠の質に影響を及ぼす合併症があるため,これら合併症の睡眠生理学および睡眠障害への影響を考慮する必要がある.閉塞性睡眠時無呼吸は生活の質を低下させ,他の疾患の発症リスクを高める可能性がある.口腔内装置治療を適応する際には,リスクとベネフィットについて患者に伝える必要がある.