日本補綴歯科学会誌
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原著論文
マウスガード用材料の改良開発に向けた基礎的研究
横田 嘉代子中禮 宏高橋 英和上野 俊明
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2010 年 2 巻 3 号 p. 151-156

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抄録
目的:我々は熱変形の比較的ないシリコーンゴムやアクリル樹脂等の歯科で使われている材料のマウスガード(MG)用材料としての応用に着目しており,鉄球自由落下衝撃試験を行い,市販MG 材料との性能比較を行ったので報告する.
方法:試験材料は市販MG 用材料2 種MG,MG2,シリコーンゴム材料2種SL1,SL2,及びアクリル 樹脂材料2種RE1,RE2の計6種である.直径15 mmの鉄球(13.8 gf)を600 mm上方から自由落下させて加撃し,最大荷重(P1)ならびに加撃開始から最大荷重までの時間(P1-t)を算出し,分散分析およびScheffe の多重比較を行った.
結果:6試料のP1間には統計学的有意差が認められ,RE1 ≈ RE2 > SL1 > MG1 ≈ MG2 > SL2であった. 同様に6試料のP1-t間にも統計学的有意差が認められ,RE1 ≈ RE2 < SL1 ≈ MG2 ≈ MG1 < SL2であった.
結論:本実験結果より,市販MG 材料よりSL1は若干衝撃吸収能が低く,SL2は衝撃吸収能が高いことが示唆された.またアクリル樹脂材料は衝撃吸収能に乏しく,単体でMG用材料として用いるには問題があった.
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© 2010 社団法人日本補綴歯科学会
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