目的:ファイバーポストの配置の違いが,支台築造用コンポジットレジンとファイバーポストの複合体にどのような影響を及ぼすかを明らかにする.
方法:内径 3 mm,長さ 24 mmのガラス管内に支台築造用コンポジットレジン( UC)とファイバーポスト(FP)を各条件に合わせ挿入し光照射を行った.硬化させた試験体をガラス管から取り出し,長さ20 mmにトリミングし,常温重合レジンに 10 mm包埋したものを試料とした.静荷重試験および繰り返し荷重試験による破折試験を行い,初期破折強さ,最大破折強さ,繰り返し荷重試験試料の破折までの荷重回数,また破折しなかった試料においては試験後の試料の変位量および破折様相を評価した.
結果:初期破折強さにおいて,レジン単体の条件と比較し有意に高い値を示したのは,1.0と 1.6 mmのFPを引張り側に配置した条件であった.最大破折強さにおいて,1.6 mmの FPを引張り側に配置した条件が,他の条件と比較し有意に高い値を示した.繰り返し荷重試験において,1.6 mmの FPを引張り側に配置した条件と FPを複数本使用した条件で,他の条件と比較し試料の変位量が有意に少なかった.
結論:ファイバーポストの配置の違いにより支台築造用コンポジットレジンとファイバーポストの複合体の初期破折強さ,最大破折強さおよび繰り返し荷重試験後の変位量に差が認められた.特に引張り側に配置することの有効性が示された.
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