日本補綴歯科学会誌
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認定医症例報告
治療義歯による総義歯補綴で顎関節症および随伴症状が改善された1症例
遠藤 憲史
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2011 年 3 巻 4 号 p. 369-372

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抄録
症例の概要:患者は64歳女性で開口困難および咀嚼困難を主訴として来院した.顎関節症状の改善には理学療法を行った.顎堤粘膜の改善と咀嚼機能の回復には治療義歯を応用し,顎関節症状および咀嚼機能が改善された時点で,治療義歯および咬合面形態を最終義歯に移行した.その結果,開口困難は改善し,満足のいく咀嚼機能をもつ総義歯を装着することができた.
考察:顎関節症の治療には,顎関節部に加わる負荷のコントロールが重要であることは知られている.そこで治療義歯によって負荷のコントロールと床下粘膜の改善が行われ,良好な結果が得られた.
結論:治療義歯を用いることによって,顎関節機能と咀嚼機能を同時に改善することができた.
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© 2011 社団法人日本補綴歯科学会
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