抄録
症例の概要:患者は72歳の男性.上顎全部床義歯の不適合と離脱を主訴に来院した.診察により強い咬合力およびグラインディング傾向の強い咀嚼ストロークが推測された.上顎にインプラントを支台とする固定性上部構造を,下顎に金属床義歯を装着し,4年経過現在まで良好な状態が保たれている.
考察:インプラントを支台とした固定性上部構造と下顎金属床義歯により,臼歯部の安定した咬合支持を確立したことで,グラインディングに対抗する十分な機能回復を提供できたと考える.
結論:アイヒナー分類C2症例に対し,インプラント支持固定性上部構造による補綴治療を行うことで良好な結果が得られた.