抄録
欠損進行のリスク因子は初期欠損から,中期欠損,多数歯欠損といった欠損進行の過程のなかで,その影響の大きさは異なっており,補綴設計を考えるうえでも,その比重を考えながら進めていく必要がある.個々のケースに対峙したときに,どういった因子が欠損進行に影響するのかを思考する場面では,すべての因子を総合的に判断し,柔軟な個別対応が必要になるが,仮説の検証のためには,問題点を一つひとつバラバラにしてみたほうが考察しやすく,欠損の進行にかかわる要素の分析とその傾向を探ってきた.今回は欠損進行に関する臨床データを分析し,“欠損歯列を読む”ことの一助としている例をご紹介させていただきたい.