日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
補綴的介入により先天性咬合不全患者の咀嚼機能が改善した症例
青木 雅憲
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2012 年 4 巻 2 号 p. 219-222

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抄録
症例の概要:20歳の女性.左側歯列低位による咬合不全を有し,2度にわたり矯正治療を行ったが左側の咬合を獲得できなかった.欠損部を含め左側の咬合支持の獲得を目標とし,硬質レジン前装連結冠と陶材焼付け鋳造冠ブリッジにて最終補綴を行った.
考察:両側での咀嚼が可能となったことにより,咀嚼におけるQOLは向上した.また平衡側接触の除去や両側での咀嚼による右側歯牙の負担軽減,咀嚼筋作業肥大防止による対称な顔貌の維持,顎関節障害発生のリスク軽減においても効果的であったと思われる.
結論:先天性咬合不全患者に対し,上下顎にわたる固定性補綴装置を装着することにより咀嚼機能が改善し,良好な経過を得ることができた.
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© 2012 社団法人日本補綴歯科学会
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