日本補綴歯科学会誌
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特集:日本補綴歯科学会第121回学術大会 シンポジウム2「咬合咀嚼は健康長寿にどのように貢献しているのか」
咀嚼能力の向上は健康余命を延伸する
那須 郁夫
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 4 巻 4 号 p. 380-387

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抄録

健康日本21の目標は「健康寿命の延伸」である.日本大学では,平成11年から健康余命に関連する要因の研究のため,全国5,000人規模の高齢者縦断調査を行っている.その結果から,さきいか・たくあんが噛めると答えた咀嚼能力の優れた高齢者は,健康余命が長いことがわかった.平成18年には,介護保険の新介護予防事業において「口腔の機能向上プログラム」が開始された.歯科への期待は「歯科疾病対応モデル」から「口腔機能向上モデル」へとその軸足が移りつつある.このような時代背景のもと,国民の咀嚼機能維持回復のために歯科補綴装置を設計,調製する役割を果たすことで健康寿命の延伸という国民の福祉にとって具体的な貢献ができるはずである.

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© 2012 社団法人日本補綴歯科学会
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