抄録
人類学領域では,形態の系統発生学的な進化モデル,生体力学的な形態決定モデルとして歯や咬合面の研究が進んでいる.力学や機械加工学に立脚した新たな知見は,これまでの咬合の常識とは異なるところも多い.咬合面形態の機能的な意義を明らかにし,歯科臨床に活用するためには,革新的なセンシング技術を駆使したin vivo, in vitro での科学的なアプローチ,それらを補完するin silico 研究を推進し,咬合に関する理解を深化させることが,ドグマから脱却し,新たな咬合の学理ならびに咬合の修復・再建に必要とされる咬合理論を構築することにつながる.