抄録
症例の概要:患者は83歳女性で,下顎義歯両側臼歯部床下粘膜の疼痛を主訴に来院した.初診約1年6カ月前に上下義歯を装着し下顎義歯は破折を繰り返していた.下顎顎堤は高度に吸収しており患者の審美性と違和感への要望に対応するためフレンジテクニックを応用した新義歯を製作し,患者の満足度は大きく改善した.現在,装着後3年以上定期的なリコールを行い経過は良好である.
考察:本症例では咬合支持を早期に回復したことが,患者の義歯満足度を大きく改善した要因と考える.
結論:フレンジテクニックを応用した上下顎総義歯は咬合支持を保持するとともに患者の審美性や違和感への十分な対応を可能とし,良好な予後を導いた.