2013 年 5 巻 2 号 p. 137-140
クレンチングは口腔顔面痛,咀嚼筋痛,顎関節症を引き起こす因子の一つであると示唆されている.クレンチングが生じる理由と発現機序に関しては神経生理学的な中枢の因子と咬合接触などの末梢の因子が関連していると考えられているが,ヒトが無意識下において,この動作を行う理由とメカニズムに関してはいまだに明らかにされていない.クレンチングに関する脳活動の検討は現在までに複数されており,エビデンスが少しずつ集積されている.そこで,今回はクレンチングに関するヒトの脳活動について,これまでに得られた知見を総括して報告する.