抄録
これまで日中のクレンチング習癖に関する調査研究は,本人の自覚による調査やスプリントなどを使用して行われてきた.しかし実際の習癖の保有率などは不明な点が多く,十分な疫学的研究が行われていないと思われる.その要因として,夜間のブラキシズムに関しては睡眠時ポリグラフを用いることで正確な測定が可能であるのに対して,日中のクレンチングは装置が大がかりであるために大規模かつ正確な調査が行えなかったことが挙げられる.
われわれは,携帯型筋電計を開発し日常生活環境下でのクレンチングに関する検査を行ってきた.本装置を用いることで,明らかでなかった日中のクレンチングの分析に加え,夜間ブラキシズムとの比較が可能となってきた.