抄録
症例の概要:患者は初診時47歳の女性.上下顎義歯不適合による審美的不満,咀嚼困難を主訴に来院.CT検査とリップラインの診査より上顎は固定性インプラントブリッジを選択し,治療を行った.現在,上部構造装着後5 年が経過しているが,良好な予後を得ている.
考察:インプラント周囲骨の吸収や上部構造の脱離は認めないが,天然歯の根分岐部病変が進行しているため,残存歯の歯周組織の状態や咬合接触の変化に考慮しながら経過を観察していく必要がある.
結論:上顎無歯顎患者に固定性インプラントブリッジを装着することにより,審美的不満と咀嚼困難を改善することができた.