日本補綴歯科学会誌
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◆特集:今日から使える統計学講座:歯学統計チェックリスト
垂直歯根破折の実態と接着治療の理論的背景
菅谷 勉
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2014 年 6 巻 1 号 p. 14-19

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抄録

 垂直歯根破折274歯の破折状態を後ろ向きに調査した結果,歯頸部からの破折と根尖部からの破折は同程度の頻度で生じており,また,歯頸部からの破折は近遠心方向と頬舌方向のいずれにもみられたが,根尖部からの破折は86.7%が頬舌方向であった.歯根が垂直に破折した場合の歯周組織の炎症は,根管や破折間隙に増殖した細菌が主な原因で,破折間隙の清掃と封鎖を行うことで炎症が消失することが動物実験で確認された.さらに,実際に接着治療を行った231歯の5年後の生存率は,術前に歯周組織破壊が進行している場合は64.6%であったが,歯周組織破壊が進行していなければ82.6%と,十分に保存可能であった.

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© 2014 社団法人日本補綴歯科学会
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