抄録
症例の概要:40歳の男性,咀嚼困難と審美性の不良を主訴に来院した.咀嚼困難の原因として,上下顎歯列弓形態の不調和により,中心咬合位において下顎歯列が上顎歯列弓の口蓋側歯肉と接触しており,咬合支持部位が無いことが考えられた.生理的,形態学的な観点から適切な垂直的顎間関係を求め,その咬合高径に挙上するために治療用義歯を製作した.6カ月経過観察後に最終補綴装置の製作を行った.
考察:治療前後で,咀嚼機能評価表による咀嚼機能の回復およびセファログラム分析による形態学的な改善を確認することができた.結論:本症例は,有歯顎の歯列弓内側に可撤性局部義歯を装着し咬合支持を付与することで咀嚼能力が大幅に改善した.
結論:本症例は,有歯顎の歯列弓内側に可撤性局部義歯を装着し咬合支持を付与することで咀嚼能力が大幅に改善した.