日本補綴歯科学会誌
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◆シリーズ:補綴装置および歯の延命のために Part 2-外傷歯の治療と予後-
外傷を受けた歯に見られる所見と経過
宮新 美智世
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2014 年 6 巻 2 号 p. 125-132

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抄録
 外傷の特徴は,歯周組織や歯の硬組織,歯髄など多様な組織を同時に損傷する点にある.
 数か国による最近の統計では12歳の小児のうち15–23%が永久歯の外傷を経験していると報告されている.歯の外傷後の臨床経過についての長期的観察研究や,歯の外傷学に関わる多様な実験的研究に基づいて,受傷歯の治療ガイドラインの改訂が続けられている.歯の外傷に独特な合併症は,循環障害や亀裂(不完全破折),歯髄腔狭窄,歯根内部吸収,歯根外部吸収がある.このような受傷歯の機能を長期的に保存するためには,適切な時期に経過観察と各種マウスガードの利用が有効である.
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© 2014 社団法人日本補綴歯科学会
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