抄録
歯科技工を取巻く環境の急激な変化に対応すべく4年制大学として将来の教育モデルを提示した.デジタル技工の波に翻弄されることなく,デジタル機器の原理や使用材料への理解が不可欠であること,機械と歯科技工士による匠の技が融合してはじめて高付加価値の補綴装置が生み出されることを忘れてはならない.国民の健康の一翼を担う歯科技工士として,多職種連携は重要なテーマであり,歯科ばかりでなく医科との連携も視野に入れ,関連職種にかかわる広い知識を修得するべきである.また,世界の動向に迅速に対応できるグローバル人材の育成も重要である.今後は認定士制度などを充実させ,キャリアアップへつながる仕組みの構築に努めなければならない.