抄録
症例の概要:初診時70歳,男性.上顎全部床義歯の動揺による咀嚼障害および義歯床の変色による審美障害を主訴に来院.初診時上顎義歯は左側犬歯が増歯されており,増歯部唇側義歯床の変色と粘膜面不適合を認めたため,リラインを行った後,鋳造補強構造を埋入した上下顎全部床義歯を製作した.
考察:鋳造による補強構造を埋入することで義歯の剛性が向上し,その結果として咬合力が強いと思われる患者においても義歯の破折や変形,顎堤吸収を防ぎ,義歯の安定した結果を得ることができたと思われる.
結論:義歯床に鋳造による補強構造を埋入し,義歯の剛性を高めることにより,義歯装着後におこる問題を防ぐことができた.