抄録
症例の概要:62歳女性.上顎前歯の審美障害および動揺・疼痛による咀嚼障害を主訴に来院した.重度広汎型慢性歯周炎により臼歯部ブリッジは動揺し,咬合支持が崩壊しており,保存困難な残存歯の抜歯後,上顎残存歯を支台とした固定性ブリッジおよび上下顎クラスプ義歯による補綴を行った.
考察:固定性ブリッジにて残存歯を固定し,クラスプ義歯を併用することで咬合支持が確立され,口腔関連QoL(Quality of Life)と主観的咀嚼能力が改善し患者の高い満足が得られた.治療3年後において,歯周組織および補綴装置は良好に経過している.
結論:審美的要求を有する重度広汎型慢性歯周炎患者に対して,固定性ブリッジとクラスプ義歯による補綴処置は有効である.